Birth

5月9日、午前0:01分。

私は滑り込むように、この日に生まれた。

あえて狙ったかのように。

5月9日生まれなんて、ご苦労するかもしれないと、

私の父は、病院の先生に、どうにか前日の8日を

誕生日にできないかと、頼んだというエピソードを

あとから母から聞いた。

当時のシーンが容易に目に浮かんで、心の中でふふっと笑った。

たしかに、ユニークな苦労は

沢山した。もうたっぷりと。

早くに沢山経験したから、

それが、今の仕事に生きている。

だけど、私からすると、

苦労どころか、もう極楽。

すべては、「自分」だと知っているから。

すべては、「選ぶ」だけだと知っているから。

すべては、「やる」か「やらないか」だけだと知っているから。

今年の誕生日は特に、特別な日に感じて

目の前で、愛を沢山与えてくれる姿に

幸せで、むせかえりそうだった。

ほんとうに。

極楽な日々は楽じゃない。

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